[ 診療時間 ]9:30~13:00 / 15:30~18:30
[ 休診日 ]木曜・土曜午後・日曜・祝日
歯周病は歯周病菌によって起こりますが、その住みかとなるのがプラーク(歯垢)です。
毎日のブラッシングが適切な効果を上げていれば、このプラークは溜まりにくいですが、磨き方がおろそかになっていると、どんどん増加していきます。プラークは粘着性があり、歯に付着しやすい性質を持っています。見た目は黄白色で、この中の歯周病菌が増殖と共に毒素を吐き出し、次第に歯茎が侵食されていきます。
プラークはバイオフィルムとも言われています。これはブラッシングやマウスウォッシュなどで除去することは難しく、歯科医院でのプロケアを受けることで一掃できます。
通常の前歯
①健康な状態では歯と歯茎の間に隙間はほとんどありません。
歯肉炎
②ブラッシングなどのケアが悪いとプラーク(歯垢)が蓄積していきます。これを放置すると歯肉の中に炎症が発生し、歯と歯茎の間が少しずつ開きはじめます。
軽度歯周病
③歯肉の炎症が進むにつれて歯周病菌も増加していきます。次第に歯槽骨や歯根膜の破壊、溶解が始まります。
中度歯周病
④更に症状が悪化すると、歯は前後左右に動揺し始め、痛みも出て食事も不自由になっていきます。
重度歯周病
⑤最終的には上下にもぐらつくようになり、抜歯するなどの処置が必要になります。
毎日のブラッシングを適切に行っていれば、プラークはあまり増殖しませんが、実際に全く存在しないという人もいません。
つまり、適切なセルフケアに加えて、歯科医院によるクリーニングなどをしなければ歯周病を完全に防ぐことは難しいと言えます。
プラークは絶えず発生する可能性を持っていますから、定期的に歯科医院によるメンテナンスを受けましょう。プロケアとセルフケアが適切に行われていれば、歯周病のリスクは大幅に軽減できるものです。
スケール(歯石)もプラークと同様に歯周病を生み出す悪い元凶です。
スケールとはプラークに唾液の中のカルシウムが沈着して石灰化したものです。この中の細菌は死んだ状態ですが、表面の凹凸にプラークが付着しやすいという厄介な性質を持っています。
スケール自体は歯周病の直接の原因ではありませんが、プラークの温床となるため結果的に歯周病を悪化させることになります。そのため、歯科医院によるスケーリングを受けることも歯周病予防には大変重要です。
喫煙すると、白血球による細菌に抵抗する力が低下することが知られています。そのため歯周病にかかる可能性は上がります。更に喫煙は毛細血管を収縮させる効果もありますので、血液の循環が悪くなり、身体が持っている治癒能力を下げます。加えて歯茎からの出血が起こりにくくなることで歯周病に気付きにくくなるという弊害もあります。
食事の後の食べカスが歯や歯茎に残っていることこそが、歯周病の最も大きな要因と思われます。食べカスは歯周病菌の養分となり、その増殖を後押ししてしまいます。
あまり知られていませんが、食べ物の固さはカスの残り具合に関係しています。固いものは歯の周りの汚れを除去する効果がありますが、逆に柔らかいものはカスが残りやすい状況を作りがちです。
嚙み合わせもお口の中の環境に大きく影響を与えます。お口の中の食べカスが残りやすい状況を生み、歯周病のリスクを高めるからです。また、噛み合わせは頭痛や肩こり、めまい、食欲不振などの原因にもなることもあります。
高血圧や、血液の疾患なども歯周病の要因となると言われています。これらは相互に関係していると言われてもおり、歯周病菌が脳梗塞や心臓疾患にも悪影響を及ぼすことが知られてきています。
また、アレルギー、ビタミンの欠乏、服用薬も歯周病に影響するというデータもあります。
喫煙の習慣が歯周病に関連することは既に記述しましたが、毎日の適切なブラッシングは歯周病予防には欠かせません。不規則な生活も身体に負荷をかけ抵抗力を弱めますので、生活を整えることも歯周病予防には重要です。
過度のストレスは免疫力の低下につながり、歯周病菌に感染しやすい状況を作ります。生きていく中でストレスが無いことはありませんが、適度に解消することは健康管理のためにはとても重要です。
糖尿病と歯周病は相互にリスクを高め合う関係にあります。歯周病菌が出す毒素や、炎症を起こす物質が幹部から血液に入り、それが全身を回ることでさまざまな弊害を生みます。