[ 診療時間 ]9:30~13:00 / 15:30~18:30
[ 休診日 ]木曜・土曜午後・日曜・祝日
当クリニックは、歯周病の診断と治療、そしてその予防に豊富な経験と多数の実績を持っています。
軽度なものから、激しく進行したものまで、どのような段階にでも取り組むことが可能です。
重度に進行している場合でも、歯周外科治療や歯肉移植などの処置を行って可能な限り歯を残すよう努めます。
まずは何と言っても歯周病菌をはじめとする細菌をお口の中で増やさないように取り組むことが重要です。それらの菌は、唾液に流されないように、お口の中のどこかに付着しようとする特性を持っています。プラークが石灰化した歯石のザラザラとしたところや、銀歯やプラスティックの詰め物などのデコボコしたところはばい菌が付きやすい格好の場所です。菌が付きにくい口内環境を維持するには、常にこれに配慮する必要があります。
まずは、歯石に対する配慮です。前述したように、歯石はプラークが古くなって石灰化したもので、表面がザラザラしているので、菌が容易に付着できます。歯科医院で歯石を取るスケーリングは、菌の住みかとなる場所を減らしていると言ってもよいでしょう。
次に銀歯やプラスティックの詰め物に対してですが、これらは処置の仕方によって元の歯と人工物の間に段差があることがあります。その部分は菌にとっては付着しやすい場所なので、私たちはそれをなだらかにする処置を行っています。
さらに、歯並びの悪さも、ブラッシングがしにくいなどの弊害から、菌が残りやすい環境を生む原因になることがあります。これに対処するには矯正が必要となることがあります。
私たちはこのような総合的な見地から、患者さんそれぞれのリスクを探り、菌が付着しにくい口内環境の維持をアドバイスすることが可能です。
歯茎には溝があり、そこは菌が住みつきやすいところです。溝の深さには個人差がありますが、それが深いほどばい菌にとっては潜みやすい場所です。この溝を歯周ポケットと言い、これを浅くすることが2つ目の口内環境改善の重要点です。
歯周ポケットを浅くするにはその中に潜む菌を除去する必要があります。歯科クリニックでは「SRP」という処置で菌を除去していきます。「SRP」とはスケーリングとルートプレーニングの略称です。この処置は歯周病治療には欠かせないものとなっています。
歯茎の溝部分は外部からは見えにくいので、プロフェッショナルである歯科医師や歯科衛生士にとっても手探りで作業することになります。その部分には歯石もあり、粉の除去も同時に行いますので、時間や手間を要します。
この時、器具が歯茎に接触するので、患者さんも痛みを感じることは避けられません。状況によって麻酔をすることもあります。これは患者さんにとっても歯科医院にとっても大変な面はありますが、これをやらなければ歯周病を抑えることはできません。処置後には歯茎からの出血や口の中がネバネバする不快感が減りますので、それを目指して頑張りましょう。
歯周病が進行して骨が減るにつれて、噛む力に対して支える力も弱まりますので、それを補強する必要があります。
そのためには入れ歯、ブリッジ、インプラントという3つの選択肢があります。この中から患者さんのその時のお口の中の状況にどれが合っているか、どの方法が残った歯に最も負担をかけないか、などを検討しなければなりません。
インプラントは他の歯に負担をかけず、噛み心地も最も天然の歯に近い処置方法ですが、保険診療の範囲では処置できないので費用負担は増大します。また、手術を伴うことや、治療に時間を要することから誰にでも気軽にできる訳ではありません。
しかし、わたしたちは諦めることなく、患者さんにとってご予算や健康状態も含めた上での最適な方法を提案いたします。処置を行わなければ、更に状況が悪化する可能性もありますので、前向きに対処していくことが何よりも重要です。
当クリニックは歯周病治療に積極的に取り組んできたさまざまな成果を持っています。少し歯茎が腫れてきたという軽度の方でも、歯がグラグラして食事がしにくいという重度の方でも、是非私たちにご相談ください。
スケーリングとは歯に付着したスケール(歯石)とプラーク(歯垢)を取り除くための処置です。
スケールは、歯の表面に付着したプラークに唾液の中のリンやカルシウムが混じって石灰化した状態のものを言い、いわゆるばい菌の死骸が化石化したものと言ってもいいと思います。これは表面がザラザラしているので、プラークの更なる付着を助長しやすい構造となっており、放っておくと口内環境の悪化に拍車がかかります。
私たちは超音波スケーラーやキュレットスケーラーというアイテムを使用して、スケールやプラークを丁寧に取り除き、口内環境を改善していきます。
スケールを取らずに放置し続けていると、歯周病菌に侵食されて歯と歯の境目の溝がどんどん深くなっていきます。それが5㎜前後まで深くなっている場合、スケールが歯肉の中まで付着していることが予想されるため、スケーリングだけでそれを除去することは困難になります。そこで私たちは表面麻酔や局部麻酔などを併用して、スケールを深い部分まで除去するSRPという処置を行います。
これを放置すると歯周病はさらに進行し、歯を失ってしまう事態にまで発展する可能性が高くなります。外科手術が必要になるほど進行しないように、この段階でしっかりとスケールを除去しましょう。処置のあらましを聞かれた方は不安を感じられる場合もありますが、私たちはこの処置に数多く取り組んでいるプロフェッショナルです。安心してお任せください。
歯周病を引き起こす直接の原因は、歯周病菌を含むプラークの増殖です。これがスケール化してしまうとプロケアが必要になりますが、初期のプラークの段階であれば、大部分が毎日のブラッシングを適切に行うことで除去することが可能です。
ブラッシングにはその方ごとにクセがあります。毎日時間をかけて丁寧に行っている、という方でも完璧なブラッシングができている方は多くはありません。それを踏まえて、定期的に私たちのクリニックにお越しいただければ、磨き残しの傾向を見て適切なアドバイスを行います。
骨の破壊が大きく歯周ポケットが深いような箇所は、スケーリングやSRPだけでは歯石を取り除く事が不可能です。このような場合は、歯周外科手術を行い、歯肉を切開して細かい部分まで歯石を取り除きます。また、骨の状態によっては、失なわれた骨を回復する「再生療法」が有効な場合もあります。
歯周病にかかっていることが判明した場合は、まずは検査を行い、歯茎や歯槽骨の状況を確認し、歯周病を進行させている原因が何であるのかを分析して、治療プランを構築していきます。
どの段階でも重要なのは、前項でも記述した毎日のブラッシングが適切に行われることです。そのため私たちは患者さんご自身が適切なセルフケアができるように丁寧に指導いたします。
ブラッシングが適切に行われるようになれば、歯茎の炎症が低減されていきますので、見た目にも引き締まっていくことがわかります。これによってスケールも見えやすくなるので、効果的なスケーリングが可能になります。スケールを除去するとお口の中の細菌が減少するので更に歯茎が引き締まっていくという良い循環が生まれていきます。
上記のブラッシングとスケーリングによって、軽度のものであれば歯茎の状況は非常に改善します。しかし他にも原因があればそれを取り除く必要があります。私たちが目指すのはプラークが付きにくい、良い口内環境をできるだけ長く維持することです。
そのためには、適合が思わしくない詰め物や被せ物があれば、除去することを考えなければならないかもしれません。また、かみ合わせに異常があれば、磨き残しが増えたり、余分な力が掛かることで歯槽骨が吸収しやすい状況を生みますので、矯正治療が必要になる場合もあります。
これらは手間がかかる場合もありますが、口腔内を安定した状態で維持するためには有効な場合があります。
これまでに挙げた基本的処置を行っても深い歯周ポケットが取り切れない場合、外科的処置を行うこともあります。これは歯槽骨の形状を良くしたリ、歯周ポケットを減らすことを目的として行います。
場合によっては歯周組織再生療法を行うことで、溶けてしまった歯槽骨や歯茎を増やすことも可能です。これは保険診療の範囲外となりますので、患者さんに細かく診療内容について説明し、納得いただいた上で処置を行います。
これらの処置の後は再度検査を行って、状況の改善を確認します。
ここまでの処置で歯ぐきの炎症は減っていますが、歯槽骨が十分でない可能性がありますので、必要に応じて修復物で歯を固定することもあります。
上記のように歯周病治療にはいろいろな段階や選択肢がありますので、患者さんと医師のコミュニケーションが重要です。
治療が完了した後も油断することなく、適切なブラッシングと定期的なメンテナンスを受けましょう。